ラグランスリーブのコートの肩線直し

洋服直しの仕事をしていた時に、冬になると多いお直しがありました。
ラグランスリーブのコートの肩線直しです。

特に古いコートは、肩幅も広めの肩を強調したデザインが多く、 肩線を上げて肩パッドも厚めで大きめのものが入っていました。
家にある30年前のスタイルブックを見てみると、肩先が3センチ以上は上がっていました。
肩幅も広めにとってあり、肩パッドの厚みが2cmとあります。

古いコートを見て「肩パッドを外せばいいかな」と思う方が多いですが、外しただけでは肩のふくらみが残ってしまいがちです。
ジャケット風なデザインならいいですが、カチッとしたコートだと縫い直しが必要と思います。

お直しの仕方ですが、山袖といって袖のつなぎ目の上の部分を補正していきます。
お直しする方の肩幅より1㎝位先のところをピークに、袖幅詰めをしていきます。
詰める幅は最大で2cm位までです。
それ以上詰めすぎると、腕が上がりにくくなってしまいます。

ご自分でお直しをする場合は、仕付け糸でつめたい場所をつまんで縫い付け、試着してみてください。
縫い付ける線や寸法が決まったら、裏を返して印をつけていきます。
アイロンで縫い代を戻し、チャコや糸印をつけていきます。
首の方は、ミシンが入るまででOKのことが多いですが、2cmつめるとなると襟付け位置まで解かないと縫えないかもしれません。
袖のほうは袖口まで行くような感じで縫っても、途中までで縫い止まることが多いです。

本縫いの前に、肩線に伸び止めテープがはってあることが多いので、縫う位置に接着テープを再度はりつけます。
また、印通りに仕付け糸で縫って表にかえし、もう一度試着してみるといいと思います。
肩線がとがっていたり、しわが寄ったりすることがあるので、確認してから本縫いをおすすめします。

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